ここは百人一首をとり上げて、それぞれの光景をイメージして
強引に恋の自由詩を書いてしまおうというコーナーです。
A〜Zの後にあいうえおといういつもの順ではなく
百人一首の歌の順に並んでいます。

百人一首には恋じゃない和歌も多数ありますが
それらからも全て恋の自由詩を生んでいきます。
尚、イメージで生んでいくだけの為、
詩の内容が和歌の内容に沿っているとは限りません。

これらは情景と心情を自由詩で書いていくことを狙った
言わば習作集となっています。

和歌 詠み人 掲載日
001 秋の田の かりほの庵の とまをあらみ 我か衣手は 露にぬれつつ 天智天皇(仮) 2016/11/01
002 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 持統天皇 2016/11/07
003 あしひきの 山鳥の尾の したり尾の なかなかし夜を ひとりかもねむ 柿本人麿 2016/11/14
004 田子の浦に うち出ててみれは 白妙の 富士のたかねに 雪は降りつつ 山辺赤人 2016/11/17
005 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときそ 秋は悲しき 猿丸大夫(?) 2016/11/21
006 かささきの 渡せる橋に おく霜の 白きを見れは 夜そ更けにける 中納言家持 2016/11/21
007 天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いてし月かも 阿倍仲麻呂 2016/11/28
008 わが庵は 都のたつみ しかそ住む 世をうち山と 人はいふなり 喜撰法師 2016/12/01
009 花の色は 移りにけりな いたつらに 我か身世にふる なかめせしまに 小野小町 2016/12/05
010 これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関 蝉丸 2016/12/05
011 わたの原 八十島かけて 漕き出ぬと 人にはつけよ あまの釣舟 参議篁 2016/12/19
012 天つ風 雲のかよひち 吹きとちよ 乙女の姿 しはしととめむ 僧正遍昭 2016/12/24
013 筑波嶺の 峯より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる 陽成院 2016/12/27
014 陸奥の しのぶもちすり 誰故に みたれ初めにし 我ならなくに 河原左大臣 2017/01/01
015 君かため 春の野に出てて 若菜つむ わか衣手に 雪は降りつつ 光孝天皇 2017/01/15
016 立別れ いなはの山の 嶺におふる まつとし聞かは 今帰り来む 中納言行平 2017/01/18
017 ちはやふる 神代も聞かす 龍田川 から紅に 水くくるとは 在原業平朝臣 2017/01/26
018 住の江の 岸による浪 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ 藤原敏行朝臣 2017/02/02
019 難波潟 短き葦の ふしのまも あはてこの世を すくしてよとや 伊勢 2017/02/06
020 詫ひぬれは 今はた同し 難波なる 身をつくしても 逢はむとそ思ふ 元良親王 2017/02/24
021 今来むと いひしはかりに 長月の 有明の月を 待ち出てつるかな 素性法師 2017/03/05
022 吹くからに 秋の草木の しをるれは むへ山風を 嵐といふらむ 文屋康秀 2017/03/21
023 月見れは 千々にものこそ 悲しけれ わか身ひとつの 秋にはあらねと 大江千里 2017/03/21
024 このたひは 幣もとりあへす 手向山 紅葉の錦 神のまにまに 菅家 2017/04/13
025 名にしおはは 逢坂山の さねかつら 人にしられて くるよしもかな 三条右大臣 2017/04/24
026 小倉山 峯のもみち葉 心あらは 今ひとたひの みゆき待ちなむ 貞信公 2017/04/30
027 みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ 中納言兼輔 2017/05/07
028 山里は 冬そ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へは 源宗于朝臣 2017/05/07
029 心あてに 折らはや折らあむ 初霜の 置きまとはせる 白菊の花 凡河内躬恒 2017/06/12
030 有明の つれなく見えし 別れより 暁はかり 憂きものはなし 壬生忠岑 2017/06/15
031 朝ほらけ 有明の月と 見るまてに 吉野の里に 降れる白雪 坂上是則 2017/07/04
032 山かはに 風のかけたる しからみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり 春道列樹 2017/07/16
033 久方の 光のとけき 春の日に しつこころなく 花の散るらむ 紀友則 2017/08/07
034 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに 藤原興風 2017/09/04
035 人はいさ 心もしらす ふるさとは 花そ昔の 香ににほいける 紀貫之 2017/09/23
036 夏の夜は また宵なから 明けぬるを 雲のいつこに 月宿るらむ 清原深養父 2017/09/23
037 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉そ散りける 文屋朝康 2017/10/23
038 忘らるる 身をは思わす 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな 右近 2017/11/21
039 浅茅生の 小野の篠原 しのふれと あまりてなとか 人の恋しき 参議等 2018/01/10
040 忍ふれと 色に出てにけり わか恋は ものや思ふと 人の問ふまて 平兼盛 2018/01/22
041 恋すてふ わか名はまたき 立ちにけり 人知れすこそ 思ひそめしか 壬生忠見 2018/02/01
042 契りきな かたみに袖を しほりつつ 末の松山 浪こさしとは 清原元輔 2018/02/15
043 逢ひ見ての 後の心に くらふれは 昔はものを 思はさりけり 権中納言敦忠 2018/03/16
044 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みさらまし 中納言朝忠 2018/03/16
045 哀れとも いふへき人は おもほえて 身のいたつらに なりぬるべきかな 謙徳公 2018/03/23
046 由良の戸を わたる舟人 かちをたえ 行方も知らぬ 恋の道かな 曾禰好忠 2018/04/07
047 八重葎 しけれる宿の さひしきに 人こそ見えぬ 秋は来にけり 恵慶法師 2018/04/16
048 風をいたみ 岩うつ浪の おのれのみ くたけてものを 思ふ頃かな 源重之 2018/05/04
049 御垣守 衛士のたく火の 夜はもえ 昼はきえつつ ものをこそ思へ 大中臣能宣 2018/05/16
050 君かため 惜しからさりし 命さえ 長くもかなと 思ひけるかな 藤原義孝 2018/05/16
051 かくとたに えやはいふきの さしも草 さしも知らしな もゆる思いを 藤原実方朝臣 2018/06/10
052 明けぬれは くるるものとは 知りなから なほ恨めしき 朝ほらけかな 藤原道信朝臣 2018/07/03
053 嘆きつつ 独りぬる夜の 明くるまは いかに久しき ものとかは知る 右大将道綱母 2018/08/17
054 忘れしの 行末まては かたけれは 今日を限りの 命ともかな 儀同三司母 2018/09/12
055 滝の音は 絶えて久しく なりぬれと 名こそ流れて なほ聞こえけれ 大納言公任 2018/10/29
056 あささらむ この世のほかの 思い出に 今ひとたひの 逢ふこともかな 和泉式部 2018/10/29
057 めくり逢いて 見しやそれとも わかぬまに 雲かくれにし 夜半の月かな 紫式部 2018/11/14
058 有馬山 ゐなのささ原 風吹けは いてそよ人を 忘れやはする 大弐三位 2019/01/21
059 やすはらて 寝なましもの 小夜更けて かたふくまての 月を見しかな 赤染衛門 2019/02/17
060 大江山  いくのの道の 遠けれは またふみも見す 天の橋立 小式部内侍 2019/03/20
061 いにしへの 奈良の都の 八重さくら 今日九重に 匂ひぬるかな 伊勢大輔 2019/04/05
062 夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさし 清少納言 2019/06/07
063 今はたた 思い絶えなむ とはかりを 人つてならて 言ふよしもかな 左京大夫道雅 2019/07/08
064 朝ほらけ 宇治の川霧 絶えたえに あらはれ渡る 瀬々の網代木 権中納言定頼 2019/07/24
065 恨み侘ひ ほさぬ袖たに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ 相模 2019/09/07
066 もろともに あはれと思へ 山さくら 花よりほかに 知る人もなし 大僧正行尊 2019/11/05
067 春の夜の 夢はかりなる 手枕に かひなくたたむ 名こそ惜しけれ 周防内侍 2019/11/05
068 心にも あらて憂き世に なからえは 恋しかるへき 夜半の月かな 三条院 2019/11/23
069 嵐ふく 三室の山の もみち葉は 龍田の川の 錦なりけり 能因法師 2019/11/23
070 寂しさに 宿を立ち出てて 眺むれは いつこも同し 秋の夕暮 良暹法師 2019/12/16
071 夕されは 門田の稲葉 おとつれて あしのまろやに 秋風そ吹く 大納言経信 2019/12/16
072 音に聞く 高師の浜の あた浪は かけしや袖の ぬれもこそすれ 紀伊 2020/01/31
073 高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 たたすもあらなむ 権中納言匡房 2020/01/31
074 うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はけしかれとは 祈らぬものを 源俊頼朝臣 2020/03/05
075 契りおきし させもか露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり 藤原基俊 2020/03/12
076 わたの原 漕き出てて見れば 久方の 雲居にまかふ 沖つ白浪 法性寺入道 2020/03/23
077 瀬を早み 岩にせかかる 滝川の われても末に 逢はむとそ思ふ 崇徳院 2020/03/28
078 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いくよ寝覚めぬ 須磨の関守 源兼昌 2020/04/06
079 秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出つる月の 影のさやけさ 左京大夫顕輔 2020/04/06
080 なかからむ 心も知らす 黒髪の みたれてけさは ものをこそ思へ 待賢門院堀河 2020/04/29
081 ほとときす 鳴きつる方を 眺むれは たた有明の 月そ残れる 後徳大寺左大臣 2020/04/29
082 思ひわひ さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり 道因法師 2020/05/10
083 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿そなくなる 皇太后宮大夫俊成 2020/05/10
084 なからへは またこのころや しのはれむうしと見し世そ 今は恋しき 藤原清輔朝臣 2020/05/10
085 夜もすから もの思ふころは 明けやらて ねやのひまさへ つれなかりけり 俊恵法師 2020/07/04
086 嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わか涙かな 西行法師 2020/07/13
087 村雨の 露もまたひぬ 真木の葉に 霧立ちのほる 秋の夕暮 寂蓮法師 2020/07/22
088 難波江の あしのかりねの 一夜ゆゑ みをつくしてや 恋わたるへき 皇嘉門院別当 2020/07/26
089 玉の緒よ 絶えなは絶えね なからへは 忍ふることの 弱りもそする 式子内親王 2020/08/12
090 見せはやな 雄島のあまの 袖たにも 濡れにそ濡れし 色はかはらす 殷富門院大輔 2020/08/16
091 きりきりす なくや霜夜の さむしろに 衣かたしき 独りかも寝む 後京極摂政太政大臣 2020/08/16
092 わか袖は 汐干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし 二条院讃岐 2020/08/18
093 世の中は 常にもかもな 渚こく 海士の小舟の 綱手かなしも 鎌倉右大臣 2020/09/02
094 みよし野の 山の秋風 小夜更けて 故郷寒く 衣うつなり 参議雅経 2020/09/23
095 おほけなく うき世の民に おほふかな わか立つ杣に 墨染めの袖 前大僧正慈円 2020/09/23
096 花さそふ あらしの庭の 雪ならて ふりゆくものは わか身なりけり 入道前太政大臣 2020/09/28
097 来ぬ人を 松帆の浦の 夕なきに 焼くや藻塩の 身もこかれつつ 権中納言定家 2020/10/05
098 風そよく 楢の小川の 夕くれは みそきそ夏の しるしなりける 従二位家隆 2020/10/17
099 人もをし 人もうらめし あちきなく 世を思ふ故に もの思ふ身は 後鳥羽院 2020/11/04
100 百敷や 古き軒端の しのふにも なほあまりある 昔なりけり 順徳院 2020/11/04
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